発達障害入院アセスメント
浅田病院 院長 浅田 護
- 1) 精神医療にコペルニクス的転回点をもたらした「発達障害」
- 最近の精神医療において、アスペルガー障害、高機能自閉症等の、(広汎性)発達障害の文字を見ない日はないというくらい、急速な広まりようを見せています。これは、一つの新しい精神疾患が登場し脚光を浴びているということにとどまらず、「自閉症スペクトラム」という言葉に表現されるように、これらの疾患の特徴を薄めれば、一方の極には一般人口の何割かはそれに該当するという、従来パーソナリティの「個性」として位置づけられていた特徴をも包含してしまうという点で、極めて重大な臨床的視点を提供したということに大きな意味があるのです。つまり、従来、総合失調症、感情障害、パーソナリティ障害として診断されていた中に、種々の程度の発達障害の病理が根底にあると思われる例が、現実の臨床場面では実に多いという事実に直面し、極端に言えば、発達障害の視点を持たなければ、現在の精神医療は成り立たないというくらいのコペルニクス的転回点を精神医療にもたらしているのです。
- 2) 力動的な視点での「発育障害」アセスメント必要性
- そこで、診断、アセスメント(評価)も、ただ、単に「発達障害」であるかどうかというだけでは極めて不十分であると思います。全体のパーソナリティを、精神療法的に詳細にアセスメントし、発達障害の部分、パーソナリティ障害の部分、精神病的部分、神経症的部分、健康なパーソナリティの部分と、総合的、立体的にアセスメントをしていかなければ、患者さんを正しく理解し、適切な治療方針を立てることもできません。私たちの病院では、従来から、精神分析的かつ集団精神療法的なオリエンテーションで、こうしたアセスメントを入院治療で精力的に行ってきており、ますます、こうした視点での詳細なアセスメントの重要性を確信しています。





